退魔戦記

　遺伝子の配列が、ある魔術的な要素をそなえた形になったとき、ある力がその人間に宿るといわれています。

　それが、ジーンマジック――遺伝子魔術師です。

　言葉を変えれば、彼等は超能力者ということになるのでしょう。

　彼等は、一番世間に知られている存在であるだけに、世間からはペテン師などと呼ばれ、非難の目にさらされています。

　そのため、彼等ジーンマジシャンは自分からそうだということを、あかそうとはしません。それは、どんな人間に対しても同じです。

　一部のジーンマジシャンは、自分たちだけに社会的差別を行われるのは、ＭＩＡが情報操作をしているためだ、と言って、徹底してＭＩＡと非協力態勢、あるいは交戦を行っているものもいるということです。

　念動力、すなわちサイコキネシスという力を用いて、対象の体を不自然な方向にねじる、破壊する、などといった現象を起こし、ダメージを与えます。

　自分の思考やイメージを他人に伝える魔術です。

　対象を増やすと、１対象の思考やイメージを転送して、別の対象へ送ることも可能です。

　ＰＫ（サイコキネシス）です。

　ＰＫ１につき、１キロの物体を移動力１で動かすことが可能です。スプーンなら、一瞬で曲げることが可能でしょう。この魔術によって、ダメージを与えることはできません。鍵をかけたりあけたりするには、その構造を何らかの手段によって知る必要があります。

　物体透視です。

　透視１につき、厚さ十センチの物体を透視することができます。また、内部構造を視認することも可能です。しかし、構造を見たからといって、その構造を理解できたわけではありません。

　念動力の力を、防御に回したのがこの魔術です。対象に襲いくる攻撃を、全てはじいていきます。

　俗にパイロキネシスと呼ばれる能力で、この魔術を使えば、可燃物ならば即座に引火させることができます。

　この魔術を生物、妖魔などに使うとダメージ魔術として働きます。

　接触した対象の心を読み取ることができます。深層意識まで読み取ることはできません。あくまで表層意識のみです。これによる、戦闘における行動の特典などは、一切ありません。なぜなら、他人の思考を読み取り、理解するのには時間が必要であり、その時間は1Rはかかってしまうからです。戦闘における、瞬間の判断に利用はできません。

　対象となった存在は、心を覗かれるのを望まなければ、当然ながら対抗ロールを行うことができます。

　怪我によって欠損した肉体を、再生させる魔術です。その他、風邪、発熱といった軽度の病気なども治癒することができます。ただし、魔術による病気は一切治療できません。

　通常、目では見えないような長距離の場所を、視認できるようにするための魔術です。この魔術によって移動物体を追いかけることも可能です。

　文字通り壁を抜ける魔術です。壁を抜けるのは、所持している物品もふくめてです。すなわち、衣服やその他装備品も含めての壁抜けが可能なのです。

　ただし、壁の中で拳銃は撃てません。打った瞬間から、弾丸は所持品ではなくなり、壁抜けができなくなるからです。

　過去、未来を透視する魔術です。

　時間透視１につき、過去ならば、１時間、未来ならば１分先までを見とおすことが可能ですが、見ることができた未来は、無限にある選択肢のうちのひとつであるため、絶対にあたるとは限りません。

　なお、戦闘中に未来予知としてこの能力を使用すると、攻撃の命中、回避、および魔術の抵抗判定にのみ、Gd２のみの修正を得ることができます。

　瞬間移動１につき、一気に１osを移動することができます。ただ、使用者は、瞬間移動する目的地の場所をよく確認しなければならないでしょう。もし間違って、車道に移動してしまったなら、車に引かれること請け合いです。

　また、目的地を漠然としか意識しなかったり、何も考えずに使ったりしても、成就することはできません。

　加えるに、この魔術の対象者は、自分が瞬間移動されたくないと望むのなら、抵抗判定の必要なしに拒むことができます。

　念動力を完全な破壊の力に歪めて使う魔術です。自分の体を媒介として、目標までに存在する全ての物質を破壊してしまいます。

　２回以上使うと、着ている衣服を裂いてしまうため、あまり実用には耐えないかもしれません。

　身体を宙に浮かし、自由に空を飛ぶことができます。その際、自分が支えられる、または、持ち上げることができる重量の荷物（人）を持ったまま飛行することもできます。

　飛行時速は0〜100Km/hです。また速度はいつでも自由に変えられます。

　いわゆるアポートです。術者本人の持ち物であれば、その物体がどこにあろうとも術者の手元に転送することができます。ただし、この魔術は手元に引き寄せるだけで、送り返すことはできません。

　効果１倍につき10Kgまでの物体を転送できます。

　受けた傷を再生させる魔術です。回復できる傷は中傷までで、１Ｒにつき、１回復します。

　相手の精神に直接打撃を与え、相手を疲労させます。抵抗に失敗した対象は効果分のダメージをＭＰ（精神力）に受けます。

　これによりＭＰが０になった場合は気絶します。

　また、これは精神的防御に効果を発揮するＡ効果でしか、その威力を低減することはできません。

　この魔術を使うには、まずあらかじめ遠感を使っておく必要があります。そうして遠感によって意志疎通が可能となった対象を術者本人のようにして、ジーンマジックのバリエーション魔術を使用できるようになります。

　すなわち、再生や時間透視といった範囲が本人のみとなっている魔術も、自由にこの魔術の対象とする事ができます。

　ただし、その対象者がどのような状況かを詳しく知るには、千里眼も併用しなければならないでしょう。

　人の持つ５感（視覚、味覚、聴覚、嗅覚、触覚）を鋭くします。

　効果１につき１つの感覚を鋭くします。重複して掛けることにより、２つ以上の感覚を鋭くすることもできます。

［視覚］　電子顕微鏡並の視覚を得る

［味覚］　舌を物体にふれることなく、味を確認できる。毒にも冒されない

［聴覚］　10is先の雑踏内のささやき声が聞こえる

［嗅覚］　訓練された犬（警察犬等）並の嗅覚を得る

［触覚］　空気の動きを肌で感じることができ、目で見なくとも、印刷物の内容を知ることができる

　対象に催眠暗示をかけることができます。その際相手の目を見ている必要はありません。ただ相手を効果範囲内にて、目視していれば効果を与えることができます。

　なお、この魔術は相手の脳に直接働きかけるものです。

［催眠１］　相手を眠らせる　

［催眠２］　身体の一部（腕、足）を動かなくする。または、相手を動けなくする

［催眠４］　相手に簡単な命令を実行させる（単語２つまで。戦闘及び、命に関わる命令以外）

［催眠８］　相手の思考、記憶をすり替える

［催眠16］　複雑な催眠暗示をかける（何かがきっかけで、その暗示が実行される）

［催眠32］　相手を自由に操ることができる

製作者の一言

　ようやくしあがった。

　これは、このホームページの１０００カウンターを踏んでくれた、佐藤さんへのプレゼントのキャラクタークラスです。

　久しぶりに作ったこともあり、なかなか苦労したクラスです。

　このジーンマジシャンとは、いつか書きたいと思っていた超能力物の小説の設定を流用したもので、仮に超能力というものを、自分なりの魔術的な解釈によって作った代物です。

　射程距離に関して長すぎるという問題があるのでは、と思われるかもしませんが、この魔術のほとんどが、時間を倍加できないことへの対応処置、として考えてください。

　どうしてこの魔術は、時間の倍加ができないのか、といいますと、ジーンマジシャンは、あくまで超能力者であり、自分の能力を使っているだけであるためです。これは、“持続する時間は、効果時間までが限度”という意味なのです。ご理解頂けたでしょうか。

　さて、現在製作中の“妖魔界”ですが、大体の概要はしあがっています。問題は、こまかな背景なわけで、その辺りをまとめるのに、ちょっとどころか、かなりてこずってしまっている、という状況が続いているのです。

　期待している皆様、大変申し訳あれません。出だしをしっかりと作らなければ、いいものはしあがらないのです。

　ここまで時間がかかっているのは、全ていいものを作るためだと理解してください。お願いします。

　それでわ！