第5回 どこまでプレイヤーの意志を汲み取るか
A 「改造された犬のイヌをやりたいんですけど」
ルーラー「はぁ?」
A 「だから、人間並みの知能を与えられた、警察犬です」
ルーラー「うう、なんつぅことを……」
あなたは、コンベンションマスターをやるとき、プレイヤーの我侭をどこまで認めるでしょうか。
一切認めない?
全面的に認める?
それとも、設定を説明してもらって、納得できるものだったら認める?
まぁ、いろいろ反応は上げられるでしょう。
上の例は実話です。このとき俺はどうしたかというと、無条件で認めました。面白い設定だ、という理由もありましたが、それよりこれがコンベンションであるからです。
そうでなければ(つまり、身内プレイでは、ということですね)、筆者は、相当厳しい条件をつけた上で認めます。
大体、そんなとんでもない警察犬は、かなりの超技術(オーバーテクノロジー)を用いて作られおり、人工知能を越える人工実存とか、そういう存在の製造方法にまで問題が向かってしまうからです。
そこまで問題が向ってしまう以上、現在のN◎VAではN◎VA軍がその犬を入手しようと動き出すかもしれませんし(もっとも、彼らならすでに製作していることでしょうが)、企業が捕獲しようとするかもしれません。何らかの問題が発生するのは事実、あるいは予測される事なのです。
ですから、身内ならば、その設定をプレイヤーと話し合い、どういう状況にあるのかを決めた上で許可することでしょう。
そして当然、そのネタをシナリオの中心に使ってしまいます。ルーラーとして、当然やるべき事ですね。
ですが、これがコンベンションだったらどうなるでしょう。
一回限り、という可能性もありますが、なにより、コンベンションだから、認めてしまいます。
コンベンションは、筆者の感覚で言えば、大人の社交場であると同時に、一種のお祭り的なイベントでもあります。
どうせお祭りなんだし、プレイヤーにも楽しんでもらいたいからです。
シナリオの都合上、別段、ほんのプレイヤーに迷惑(不快感は与えるかもしれませんが、プレイ上、支障を与える設定ではありません)をかけるわけではなし、所属をケルビムにする(さすがに、所属がブラックハウンドなら考えてしまいますが)、と言っているし、という理由もありました。
ですが、究極的な理由は、お祭りなんだし、それでそのプレイヤーが楽しんでくれるなら認めてあげよう、という理由が第一です。
どうしてこんな事を取り上げたのかというと、こう言うプレイヤーの我侭なら、認めてあげる必要があり、それを知って欲しかったからです。もちろん、雰囲気にあわないから、却下、という意見もあるでしょう。昔の筆者なら、その意見でした。
しかし、それはプレイヤーからのアドリブを認めないくせに、ルーラーのアドリブ(シナリオは、TRPGの性質上、どうしても必要なものではありますが、ある意味ルーラーのアドリブの最たるものでしょう)はごり押しする、という、一種のアンフェアなものであると思うのです。
それぐらいのプレイヤーのアドリブぐらい認めないで、なにがルーラーか! そんな狭量なルーラーになぞ、なりたくない! などと思ったのも事実です。
多少のプレイヤーの我侭なら、認めましょうよ。それで、そのプレイヤーが楽しめるなら、そして、それによってほかのプレイヤーも楽しめる可能性があるなら、ね?
あ、もちろん、コンベンションなわけですから、他のプレイヤーに、あまりに迷惑をかけてしまうような設定は、無しですよ。
たとえは、N◎VA軍の元兵士だとか(そもそもそんなのが、N◎VAにおいて生存可能かどうか……)、オリジナルで作ったランクAaaの企業の社長とか(アーコロジーを二つも三つも抱えてる会社の社長……考えただけでぞっとする)、そんな設定はさすがに認めることはできませんよね。
ですが、細かい、どうでもいいような設定(火星人とか、両性具有とか(N◎VAでは見たことないな。今度作ろう)、レティクル座星人とか(笑))なら、認めたほうがいいんじゃないかと思うのです。
最後に。これを読んだ方へ。
あなたならどうしますか?